教室話の続き、です。上の写真はちょうど今日いらっしゃった生徒さんたちの作品、教室の道具入れに活用されている筒型ケース。

SCHOOLのページでもちょっとふれているのですが、初めて教室に通っていただく方は最初に2個だけ、革小物を作っていただいております。

ひとつは体験教室でつくるシンプルな革小物、こちらで革の裁断、手縫いの基本的な作業を一通り経験していただいてます。

もう一つが今日のお題、ご入会して最初に挑戦していただく筒型のケース作りです。厚さのある革を真円に切り出す作業などもあり、ちょっとハードル高めなお題に挑戦していただいてます。

なぜこの筒なのか? これを形にするために本体と蓋それぞれ三箇所を縫い合わせるのですが、その三箇所とも縫い方が違います。

いっぺんに3種類の縫い方が勉強できるということです!なんて便利なんでしょう(^ ^)

まあ、言ってもハードル高めですので皆さん結構苦労されながら頑張ってくれてます。なんせこれさえ終われば早速自由製作、それが当スクールのスタイルですので

作りたいモノを作るため、たとえ風が吹こうと嵐が来ようと、です。

もちろん頑張ったご褒美もあります、これが出来ちゃえば普通に平縫いで製作することがかなり楽ちんに感じるハズ。

 

ではその縫い方三種類、ちょっと説明してみましょう

とくに拝み縫い、コマ合わせ縫いの二種類はミシンでは不可能な手縫いならではの技法になります。

 

すくい縫い/拝み縫い

最初に縫うのは本体側面の突き合わせ部分、写真ですと縦の2本並んだステッチになります。

こちらは革の切断面にむけて横に穴通しします、糸は左右の穴目を行き来することになり、表から掬い上げるように針を進めていきます

ですので、縫い終わった状態は下の写真のように裏にステッチが見えない縫い方です。

 

平縫い

同時に見えている口周りのステッチです、もっともオーソドックスでスタンダードな縫い方

よほど込み入った構造でないかぎり、バッグ、革小物などほとんどの作品はこの縫い方で完結できます。

 

駒合わせ縫い

トップを一周しているステッチです、直角に合わせたパーツのトップからサイドに向け斜めに糸を通して縫います

パーツごとに菱目で開けた穴は距離感によって穴数が違ってきます、これを縫い方を途中で変えながらぐるりと縫い進みます。

馬蹄形の小銭入れなどを製作するときには欠かせない技法です。

 

教室ではこの作り方をやっていただくのにあたり、サイズは自由に決めてもらっています。

せっかく時間と根気を使って作る初めの作品です、用途も考えて完成したら実際の生活のなかで役立てていただければと思います。

なかなかしんどい作業になりますが、同時にすごく面白い作業だと思います。革の技法に興味がある方ならきっと楽しんでいただけるはず

達成感は保証します、そしてこの製作を進めながら次の作品の準備や相談も進めていきます。

無茶振り大歓迎です!一緒に頑張りましょう〜